自然を活用した空調 冷暖房・空調設備
住まいの空調機器には、自然を活用したものもあります。
太陽光(太陽熱)や地熱、風や地下水などは、使用例は少ないのですが、住まいの空調に活用できます。
太陽光(太陽熱)を利用する空調としては、OMソーラーや太陽熱温水器などがあります。
また太陽光発電を行って、作った電気でエアコンを動かすことも太陽光利用の空調といえます。
OMソーラーは太陽熱を集めて蓄熱し暖房に利用する暖房装置で、冷房については夜の涼しさを蓄熱して利用する冷暖房機器です。
送風だけで済むので、光熱費を削減できます。
しかし装置の設置費用がかなり高額で、太陽が出ない日などのために通常の冷暖房機器も必要となるところが弱点といえます。
太陽熱温水器(ソーラーシステム)で作ったお湯を床暖房に利用することもあります。
太陽熱温水器はそれほど高額ではありませんが、冬しか使えないので、無駄な季節が長い点が弱点といえるでしょう。
こちらも太陽が出ない日などのために、通常の給湯器も必要となります。
太陽光発電によるエアコンの利用も、明るい昼間に限定されます。
多少雲っていても発電は出来ますが、夜は電気を作れません。
とはいえ発電すること自体が利益を生むので、設置費用をキャッシュで払えれば、太陽光発電は効果的といえるのです。
地熱を利用する空調は、長い管を地中に埋めて、中に空気を通します。
通ってくる間に地中の涼しさや暖かさによって、地中に近い温度の空気となる事を利用する空調です。
それだけでは十分な冷暖房が得られないので、その空気をさらに冷暖房することで実際の空調として使います。
普通に冷暖房を行うよりも、光熱費を減らせるところがポイントで、天候に左右されにくいところも長所といえます。
しかし管を埋めて空気を通すために、設置費用が高くなってしまいます。
風を空調に利用する場合は、素直に利用すれば換気が行えます。
空調設備というよりは、住まいのつくりが重要になりますが、窓の配置を上手く行えば十分換気が行えます。
風力発電は一般の住まいでは効果が低いので、考えない方が良いでしょう。
地下水は、水質次第で水道として利用することも可能ですが、空調の補助としても利用できます。
地熱利用と同様に、地下水も年間の温度変化が少ないので、そこに空気を通してやれば地下水の温度に近くなります。
こちらも、その空気をさらに冷暖房することで実際の空調として使います。
自然を利用する空調は、天気に左右されたり、効果が弱くてそのままでは使えないことも多くなります。
しかし空調にかかるエネルギーを大幅に減らすことも出来るので、CO2削減やエコロジーの観点でみると効果が高い方法といえるのです。