蛍光灯いろいろ 明かりの概要や特徴
蛍光灯は、現在の住まいで最も使用されている照明です。
放電で発生する紫外線を蛍光体に当て、目に見える光に変換して発光します。
通常、蛍光体は赤・緑・青の3色を組み合わせることで、白い光を作っています。
蛍光灯の特徴は、光源が長いので広い範囲を照らしやすく、発光効率が高いので電気代を節約できます。
また電球より寿命が長く、最新の蛍光灯は15,000時間ほどの寿命と、その時点で新品の80パーセント程度の明るさを確保しています。
機器が比較的安価な点もポイントといえるでしょう。
同程度に効率が高いLED照明よりも機器が安価なので、購入しやすいという特徴があるのです。
ちょっと広め部屋でも ひとつの照明機器でカバーできる場合も多く、照明機器を安価にまとめることが出来ます。
蛍光灯の弱点は、始動回路や安定器と呼ばれる点灯のための回路が必要になることです。
照明機器のコストが上がるだけでなく、雑音や振動の原因ともなる場合もあります。
また3色の蛍光体を利用しているので、光を不自然に感じることもあります。
赤から青までのいろいろな色の光の中で、赤・緑・青の3色だけが明るい状態で光っているので、自然の光とは印象が異なる場合もあるのです。
蛍光灯には、点灯させる方式として幾つかの方法があります。
グロースタート式(点灯管式)は、点灯管を用いて点灯させます。
構造が簡単で、機器のコストが安くなるという特徴がありますが、点灯するまでに数秒の時間がかかります。
また点灯管は蛍光灯のワット数によって異なる場合もあるので、購入の際には注意が必要です。
ラピッドスタート式は、点灯管を使用せずに特殊な回路(ランプと安定器)で点灯させます。
点灯が比較的早いという特徴がありますが、使える蛍光灯の種類が限られる(FLRのみ)ので、住宅用の照明ではあまり使用されません。
インバーター式は、インバータ回路で点灯させます。
点灯するまでの時間が早く、高周波で点灯しているので、ワット数あたりの明るさが向上するという特徴もあります。
少し小さめの蛍光灯でも明るさを確保できるので、電気代を若干節約することが出来ます。
最近の住宅用の蛍光灯照明で多く採用される方式ですが、高周波を発生するために、他の機器にノイズなどの影響を与える(AMラジオのノイズなど)場合もあります。
蛍光灯は形状も豊富です。
形状としては安定器を組み込んだ電球型のタイプや円形や直管があり、それぞれにワット数のバリエーションがあります。
また点灯方式によっては、蛍光灯の種類を選ぶ必要があるので、交換用の蛍光灯を購入する際には注意が必要です。
また最近では管が細くなったスリム型の蛍光灯もあります。
インバーター式専用で、より発光効率が高くなっているので、電気代を節約できます。
蛍光灯自体のコストは高めですが、照明機器を薄く出来たりするので、メリットが多い蛍光灯なのです。
またワット数と形状さえチェックすればいいので、交換用の蛍光灯を購入しやすい蛍光灯ともいえるでしょう。
蛍光灯は、部屋全体を照らす照明としては一番使いやすい照明といえます。
発光効率が高く、照らすことが出来る範囲が広いので、部屋全体を照らす明かりとしては、現時点ではベストな照明機器といえるのです。
機器のコストもLED照明より安価で、ランプ寿命はLEDの1/3程度なので、ランプ交換の手間やコストを考えてもコストパフォーマンスが高くなります。
蛍光灯の欠点は、頻繁な点灯を繰り返すとランプの寿命が短くなる点です。
トイレや洗面所や普段点灯しない廊下のように、ちょっとの時間点灯して、すぐに消してしまう使い方には向かないのです。
ただ、そのような部屋には蛍光灯の明るさが必要となることは少ないので、通常は照明機器を適切に選べば問題ないでしょう。